松園と華麗なる女性画家たち [美術館・博物館・展]

恵比寿の山種美術館で開催中の特別展 上村松園 生誕140年記念『松園と華麗なる女性画家たち』を見にいってきました。

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上村松園(うえむら しょうえん)とは大正から昭和にかけて活動した女性の美人画家です。

「清らかな色気や気品」、あるいは「飾り気のない美しさ」が感じられて管理人が大好きな画家です。

今回、購入した公式図録の冒頭に上村松園のことばが掲載されています。曰く、

私は大てい女性の絵ばかり描いている。
しかし、女性は美しければよい、という気持ちで描いたことは一度もない。
一点の卑俗なところもなく、清澄な感じのする香り高い珠玉のような絵こそ私の念願とするところのものである。

なるほど。
確かに本人のことばどおり、松園の作品に出てくる女性はどれも凜とした雰囲気をもっている気がします。

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『庭の雪』昭和33年 山種美術館 公式図録より

画像だと全然わからないですけれど、髪の毛や髪の生え際のぼかしなど、とても丁寧に描かれています。
加えて髪の毛は、印刷用語で言うところのリッチ・ブラックのような深みのある黒が使われていて、やはり女性画家ならではの髪へのこだわりがあるのかもしれません。
とにかく、黒髪がすごくきれいです。

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『つれづれ』昭和16年 山種美術館 公式図録より

着物や帯の文様は、もちろん全部手書き(!)です。
細かい部分とは対照的に着物全体は均一に単色で塗られています。
光があたって明るい部分も、影になって暗くなる部分も描いてありません。シワだけは書き込まれていますが、全体的には平面的な印象です。
でも違和感なく見えてしまうところが日本画の面白いところですね。


山種美術館は、創立者の山﨑種二が松園と親しく交流していたそうで、松園の作品を18点所蔵しているそうです。
都内はもちろん、たぶん東日本では一番の収蔵数ではないかなあ、と思います。
今回の催しではその全てを見ることができますので、おすすめです!
6月21日まで。

山種美術館 公式ページ
『松園と華麗なる女性画家たち』


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