池坊 生け花日記（第13回）

今回はグラジオラス（ピンク）・アレカヤシ・トルコキキョウの生花（しょうか）３種生けでした。
10月の試験に向けての練習も兼ねています。


生花３種生け。アレカヤシの曲線がいい感じです。

基準になる花材はグラジオラスです。花器の3.5倍ほどの高さにしています。さらに別のグラジオラスの花や葉で、前あしらいや後ろあしらい、副（そえ）を生けます。
これら複数の花と葉をひとまとまりと考えて真（しん）とします。

次にグラジオラスの真（しん）に対する副（そえ）と後ろあしらいをアレカヤシで生けます。
真（しん）の左側にのびているのが副（そえ）、右側にのびているのが後ろあしらいです。

最後の体（たい）はトルコキキョウです。
体（たい）も、体真（たいしん）・体先（たいさき）・体内（たいうち）と３種類生けますが、花の数は合計で奇数にならないといけないそうです。
今回は５輪にしてみました。



横から見るとこんな感じです。花材が１列になるように生けます。


本来、アレカヤシの葉はもっと根元付近まであるのですが切り落としてあります。
グラジオラスの花も必要な分だけ残して間引いてあります。
完成品だけ見た人は花材を剣山にただ差しただけと思うでしょうが、実はいろいろと手を加えてあるわけです。
このあたりが華道の醍醐味でしょうか。


【花データ】

グラジオラス（ピンク）
アフリカ・地中海沿岸原産。花言葉は「たゆまぬ努力」

アレカヤシ
アフリカ・地中海沿岸原産。花言葉は「元気」

トルコキキョウ
北米原産。花言葉は「優美」「希望」